2023年8月24日から、日本政府と東京電力は、福島第一原子力発電所からALPS処理水の海洋放出を始めました。
2012年〜2020年まで、末続地区では、ICRP(国際放射線防護委員会)が勧告のなかで推奨するco-expertiseプロセスの実践である放射線測定活動が、市民団体「福島のエートス」が協働して地域プロジェクトとして行われました。(詳細は『末続アトラス』をご覧ください。)
処理水の放出後の2023年11月、フォローアップとして末続地区を訪問し、測定活動を共に行った住民の皆さんとの懇談を開催しました。その際に、住民の方からALPS処理水についての質問が出ました。
処理水が放出されたあと、沖合では海水で希釈されて濃度が平常と変わらなくなるのは理解できるが、たとえば、沿岸のよどみや入江のようなところに、再び溜まることはないのだろうか?
放射線に対しての疑問は、実際に自分で測定して確認することが、2011年の原発事故から行ってきた co-expertiseプロセスの経験からわかっている、もっとも信頼性が高く、確実な確認方法です。
ただし、トリチウムの場合は、測定には特殊な測定器が必要なため、自分たちで測ることはできません。
協力してくださる方を探していたところ、茨城大学理学部鳥養祐二教授が、ご厚意で協力くださることになりました。詳細な測定値が必要なわけではないので、測定は、ALPS処理水放出前の近海のトリチウム濃度と比較して、差があるかを確認するものになります。
末続地区で行った測定活動の結果について、住民の皆さんの許可をいただいた上で、ウェブサイト上でお知らせします。