フランスの学術誌 Radioprotectionに第24回福島ダイアログの内容を取り扱った「原子力災害後の状況に直面した若い世代:チェルノブイリから福島」が掲載されました。
https://doi.org/10.1051/radiopro/2024029
要旨
チェルノブイリと福島の経験は、原発事故後も被災地にとどまり生活することを決意した若い世代の懸念や役割に関する多くの教訓に富んでいる。事故発生時とその後の数年間における主な懸念は放射能からの防護であったが、時間の経過とともに、被災地の将来と住民の生活の質の問題が優先されるようになった。
本論文では、まず、1996年から2008年にかけてベラルーシで実施されたETHOSプロジェクトおよびCOREプログラムにおいて、チェルノブイリ事故の影響を受けた地域で収集された一連の知見を紹介する。次に、2022年11月に開催された第24回福島ダイアログで、復興プロセスにおける若い世代の役割について語られた証言や意見を紹介する
放射線状況は両国で大きく異なるが、事故から10年以上が経過した両国の若者たちの懸念には類似点が見られ、特に、被災地の将来に対する共通のビジョンを構築し、復興プロセスに関与しようとする意欲が、本論文で浮き彫りにされている。