第27回福島ダイアログ「ふるさとへの思い―私たちはどこから来て、どこへゆくのか:福島の声」を、大熊町を会場に2025年12月6日(土)、7日(日)の2日間で開催いたします。
原発事故後15年目となる今日、原発事故と避難は、個々の人々や地域にどのような影響をもたらしたのでしょうか。一方で福島県に移住し生活をする方たちの数は年々増加しています。
ふるさとに戻った人、当時から避難したまま他の地域で暮らす人、震災や原発事故の記憶が少ない世代なども含め、様々な立場の人が暮らしている福島県。それぞれの立場から「ふるさと」とは何かを見つめなおします。
詳細なプログラムは決定次第、随時更新します。
目的:原子力災害は、放射性物質による環境汚染によって、人と土地とのつながりに大きな影響をもたらす。特に、自然環境や風土に根差したライフスタイルや職業ほど、その与えられる影響は大きい。福島の事故でも、山間部の伝統的なライフスタイルや、農林水産業のような自然と直接向き合う職業は、14年が経過した今も、いまだその影響が残っている。
また、避難によって暮らしの場から追われ、住み慣れた土地から離れざるをえなかった人たちも多い。避難指示は徐々に解除されているが、長い避難によってコミュニティは変質し、また、物理的にも除染と復興事業によって、大きく姿を変えることとなった。土地と人とのつながりは、たんに住まいがそこにあるという物質的な問題にとどまらない。精神的なつながりによって、土地は人のアイデンティティの一部ともなる。ひとりひとりの人生だけではなく、原子力災害は土地と人とのつながりを変化させ、拠って立つものとの関係を変えたといえるかもしれない。そしてその影響は、地域の歴史にも及んだ。
27回めを迎えるダイアログでは、土地と人のつながりがどのように変わったのか、そして、この先、どのように新しいつながりを生み出していけるのかについて語り合う機会としたい。