2021年7月1日付けで、国際放射線防護委員会(ICRP)のメンバーが交代となりました。これに伴い、主委員会の委員長クレア・カズン氏(イギリス)、副委員長ジャック・ロシャール氏(フランス)が退任となりました。
2011年東京電力福島第一原子力発電所事故後、福島県内でICRPが開始した一連のダイアログは、両氏の強い力添えと尽力があってこそ、継続的に行われることが可能となりました。
1928年に設立されたICRPの長い歴史の中で、被災地での直接の支援活動を行なったのは、今回が初めてのことだと聞いています。
専門家としての高度な知見を提供するにとどまらず、強い使命感と職業的倫理意識を持ち、被災地で何が起きているか、人々が何を感じているかに、真摯に耳を傾けた両氏の姿は、私たちの心に深く焼きついています。
ICRPの始めたダイアログは、今、ここ福島にいる私たち、NPO福島ダイアログに引き継がれています。
クレア・カズン氏、ジャック・ロシャール氏、そして、何度となく福島まで足を運んでくださったICRP委員の友情に対して心からの謝意を申し上げます。
両氏をはじめとするICRPの関係者と福島に住む私たちとの間に培われた、国境を超えた強い友情は、私たちが事故後に得ることのできた何物にも変え難い、貴重な財産です。
2021年7月1日
NPO法人福島ダイアログ
理事長 安東量子
photo by Yu Miyai
At 12th ICRP Dialogue on 12th, 13th September 2015